2014年10月12日日曜日

世界から猫が消えたなら

川村元気さんの
世界から猫が消えたなら。

ある日いきなり余命を
宣告される主人公。

そして悪魔に「この世界から
何かを消すと一日命を得る」と
取引を持ちかけられる。

それから死を迎えるまでの7日間が描かれています。

消すのは悪魔が選ぶんですね。

当たり前か。。
自分で選んだら、自分にとって価値が低いものを
消せばいいだけだからね。

電話、時計、映画。
消えるたびに1日延びる命。

"何かを得るためには、何かを失わないとならない。"
世の条理ですね。

他にもいくつもの胸に響く言葉。
-何も失わず、何かを得ようとするのは、
 奪う行為に他ならない。

-人間は何かを生み出すたびに、何かを失ってきた。

-人は何かを覚えるために忘れる。
忘却は前進のためにある。

-すぐに伝えられないもどかしい時間こそが、
 相手のことを想ってる時間そのものなのだ。

-この世界にあるほとんどのものは、あってもなくても
 よいものなのだ。

-大人になって得たものと失ったもの。もう二度と取り戻せない、
 感動や感情。そのことを思うと、なぜだか無性に悲しくて
 涙が止まらなかったのだ。

-もし自分の人生が映画なのだとしたら。
 僕はエンドロールのあとも、 その人のなかに残る映画でありたい。

-人間は、不自由さと引き換えに決まり事があるという安心感を得たのだ。

-本当に大切なことを後回しにして、目の前にあるさほど
 重要ではないことを優先して日々生きてきたのだ。

-自分が存在した世界と、存在しなかった世界。そこにあるであろう、
 微妙な差異。その小さな小さな"差"こそが僕が生きていた"印"なのだ。

軽快な文章やけど書かれている事は深い。
考えさせられます。

衣食住が足りてさえいれば人は生きていけるのか。
本質的な問い。

ただ生きることに意味があるのではなく、どう生きるかに意味がある。

悪魔の定義が人それぞれ違うのも考えさせられました。

自分に一番近くて、遠い存在。

そしてお母さんの手紙には泣いちゃいました。

猫の歩きにテトテトとって擬音語をつける
川村さんの感覚が新鮮で好き。

自分がいなくなってもきっと世の中何もなかったように
そのまま続くんやろうなぁと考えることあるけれど、
まさにそんな事を題材としてるお話。

もっと一日一日を大切に生きないとね。

このお話は映画化もされるみたい。
なんか映像になっても余韻が無くなるとか
浅くならないといいけど。

14年10月読 BO行き
★★★★☆

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