2006年5月29日月曜日

裏庭


裏庭に迷いこんだ女の子のお話。

その裏庭は彼女だけでなく、近所のおじいさん、
両親、弟、そして祖母まで絡む重要な場所。
そしてその裏庭の持ち主の家族も。

生きているうちに知らず知らずに負う傷。
それを無視することなく、恐れず、支配されず、
育てることが大事だというメッセージ。
そして人と触れ合うことの大切さ。

ファンタジーでメッセージ性も強いし、
それなりに読みながら映像も膨らむけど、
何か中途半端。

毒が足りないのか、話を広げすぎているのか。

同じ題材を恩田さんとか宮部さんが描いていたら、
また違ったのでは?

それなりにいいこと伝えているのだけどね。

何か物語の矛盾(時間の流れとか)を感じたり、
そんな些細なことが引っかかって、
上手く入り込めずにいた。

作者にとって、この物語のスケールの大きさがモノにできていない感じ。

でもさらっと読むにはいいと思う。

06年5月読 BO行き
★★★★☆

2006年5月22日月曜日

サイドウェイ


中年男二人のワインを巡る旅。

一人は結婚を控えた売れない俳優。
もう一人は小説家を夢見る学校の先生。

地味な内容、地味な俳優。
でもなんかいい感じのお話。

紹介されるワインもとっても魅力的。
ピノノワールが飲みたくなる。
なんか男の友情っていいなって思った。

★★★★☆

2006年5月17日水曜日

黒と茶の幻想 (下)


学生時代の友人四人での屋久島への旅も後半に。

四人は旅行を通じて
それぞれの心の中にある森を歩んでいく。

その中で彼らが見つけるものは、
過去の出来事、そして本当の自分。
日常から離れたこの空間だからこそ見つかる真実。

それは時に残酷で、切ない。
でもそれに気づいたからこそ、
また日常に戻って生活できる。

全体的に重い雰囲気で話は進む。

最後はなんで節子で締めくくるのか最初は疑問だったが、
読めばそれなりに納得。
日常に戻る部分は彼女の役割だろう。

しかし恩田ファンの私としては憂理の死はちょっと衝撃。

あの学生生活を終えた後に、
こんな人生が待っていたなんて・・・

こんなに弱い人間だったのかと、
この本ではないもう一冊の本での主人公の彼女を思う。

いたるところに心に響くフレーズもあるし、
さすが恩田作品。

06年5月読 BO行き
★★★★☆

2006年5月15日月曜日

嫌われ松子の一生


予告編を観て、気になっていた作品。

いやぁ~ 面白かった!

松子の一生懸命に生きている姿、
不器用ながら愛されることを求め、
そして転落していく姿が、
コミカルにそしてしんみりと描かれている。

お父さんの日記の場面とラスト30分には
本当に泣きそうになった。

中谷美紀の体当たりの演技には脱帽。
めいっぱいはじけていた。
瑛太もいい味だしているし!

脇役も豪華だし、音楽もすばらしい。
エンターテイメントとしていい作品として出来上がっている。

邦画も本当に頑張っているよね!

くさっている日常を忘れさせてくれる一作です。

★★★★☆

2006年5月14日日曜日

黒と茶の幻想 (上)


学生時代の友人四人が行く屋久島への旅。

それぞれ大人になっても、
過去の出来事がそれぞれに暗くのしかかっている。

旅が進むにつれ、それは少しずつあきらかに。

各章は一人称でそれぞれ描かれ、
上巻ではまず二人。

誰が話すかによって、
話の雰囲気が変わるのが面白いところ。

過去の作品の登場人物が出てきたり、
恩田ファンには堪らない。

でもちょっと暗みが多いかな。
軽々しい気持ちでは読めないっていうか。

下巻も楽しみ。

06年5月読 BO行き
★★★☆☆

ハウルの動く城


あんまり期待していなかったせいか、
意外に楽しめた作品。

戦争への反発というメッセージはあるものの、
ジブリにしては軽めの仕上がりかな。

わがままなハウルもいい感じ。

声優陣も豪華。
気になったのは、原田大二郎の犬。
わざわざ俳優を起用するなんて。

映像もきれいだし、現実逃避させてくれるいい作品。

★★★☆☆

2006年5月9日火曜日

草笛の音次郎


山本さんの時代小説は本当に面白い。

旅を通して成長していく主人公と、
彼を取り巻く人々。

江戸を発ったときは、
渡世人としても未熟だった彼が周りの助けもあり、
最後にはいっぱしのあにぃに。

人情いっぱいで、どんどんと話に引き込まれる。

現代では失いつつある感情が、
覆い隠すことなく描かれる。

先が気になって、ついつい読んでしまう。
それなりに分厚いのだが、あっという間に読んでしまった。

話の流れにすっかりとトリコになってしまった!

06年5月読
★★★★★

西の魔女が死んだ


大人になるときに誰でも何かしらつまづく。

家族に守られながら閉ざされた世界で暮らしていたのが、
社会への第一歩を踏み出すときの悩み。

そして数々の疑問。
迎合する自分が嫌いになったり、
自分の感情に負けそうになったり。

そんなほろ苦い思い出を感じながら読みました。

魔女になるということは、自立すること。
誰もが努力して歩まないといけない道。

でもそんな道を見えなくなっている現代。

だからこそ見た目は大人で、
中身が子どもの人々が増えている。
私を含め。

自分の未熟さを感じた。
私はあの頃のままなのかもしれない。

短いのであっという間に読めるが、
訴えるものは多い一冊。

今大人への階段を上ろうとしている子どもたち、
昔子どもだった大人たち、
そして今も子どものままの大人たちにお勧めしたい一冊。

06年5月読
★★★★☆

2006年5月7日日曜日

古書店アゼリアの死体


とてもユーモラスなミステリー謎解きがありながらも、
登場してくるたくさんの人物の描写とかに、
どちらかといえば重点がおかれている作品。

でも細かな会話も後で何かの解決の糸口になっていたり、
それなりに凝っている部分もある。

犯人が誰かなんて関係ない。
登場人物のどたばたがそれなりに面白い。

本格的なミステリーを求める人には不向きだけど、
さくっと何か読みたいときには最適な一冊。

間違いなく現実逃避はできるし。

読み始めるとさくっと読める。

紅子さん、会ってみたいなぁ~

私は意外と好きかも

06年5月読 BO行き
★★★★☆

2006年5月6日土曜日

あそこの席


時間つぶしにはもってこいの一冊。

中身は全く無い。

転校生がある席に座ったときから始まる嫌がらせ。
そこは”呪いの席”とのうわさの場所。

無言電話・おびただしいストーカー写真。
めげずに真相に立ち向かっていく主人公と熱血教師。

結構早い段階で黒幕もわかるし、
人間描写は表面的だし。

意味深のラストはそれなりの怖さもあるけど、
でもやっぱり浅いかな。

だからこそ軽く読める。

お話自体は怖いから、
あまり夜更けに読むのはいかがなものかと思うけどね。

06年5月読 BO行き
★★☆☆☆

2006年5月3日水曜日

なぜ買わないのか なぜ買うのか


日本の経営者を上げろという問いに対し
5本の指に入るであろう鈴木さん。

かれのグループ誌に掲載された対談集を
まとめた一冊。

大学教授から経営者、そして海外の人まで、
様々な人が対談の相手。

その中で鈴木さんの言っていることは、
愚直なまでに変わらない。

セブン-イレブンで成功したからこそもてはやされる彼。

なぜにヨーカドーはあそこまで低迷しているのか。
誰も怖くてその問いを投げかけられない。

彼の経営能力はすごい部分もあるとは思うが、
マスコミなどが持ち上げるほどではないのではないと思う。

セブンだって、個店で見ればそんなに彼がいうほど
すばらしい店だとは思わない。
彼の思うセブンと実際の店舗の乖離を感じる。

おごりかな。

06年5月読
★★☆☆☆