2014年11月11日火曜日

鉄の骨

池井戸潤さんの
鉄の骨。

中堅ゼネコンの若手
富島平太の異動先は
"談合課"と揶揄される
大口公共事業の受注部署。

必要悪の談合。
決してやりたいわけでなくても、
自らの組織を守るため、
業界を守るためにやらざるを得ない。

道路工事への入札。
そして大規模な地下鉄工事。

受注のため必死になる平太と仲間たち。

銀行員の恋人萌ともその立場の違いから
生じるすれ違い。

業界で天皇と言われる大物フィクサー
三橋との出会い。

登場人物が魅力的やから、テーマが重くても、
すっと読めます。

先輩の西田、尾形常務、そして三橋。
みんな魅力的。

三橋の言葉が重い。

「いまが一番いい。そう思うことが大事なんだ。
過去を懐かしむのは構わない。だが過去を羨んではいけない。
決してな」

「サラリーマンである以前に人間なんだ。」
「人間であることを忘れたサラリーマンは
つまらない部品になってしまう。」

650頁近くの骨太の作品。
読み応えたっぷり。
そして世の中の仕組みとか色々と考えさせられます。

銀行員という立場なやけで、自分が偉いわけでもないのに、
つい周りを見下してしまう部分とかも、痛いくらいにわかる。

談合も必要な理屈もわかるけど、それに甘えていて
努力をしない企業の多さも。

変えないといけないとわかっていても、
そこから逃れられない人々も。

そして世の変化についていける企業・人と、
ついていけないものたちの差。

まさに池井戸潤さんならではのお話。
すっかりとのめり込みました。

おすすめです。

池井戸さんは、当初”走れ平太”という
題名を考えていたそうです。
それはそれでなんか似合っているかも。

14年11月読 BO行き
★★★★★

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