2014年11月26日水曜日

霖雨

葉室麟さんの
霖雨。

なんとも渋いですね。
もちろん自分の
趣味ではなく
同僚からお借りしました。

天領の豊後日田で、私塾"咸宜園"を
主宰する広瀬淡窓と、家業を継いだ
弟久兵衛。

実在の人物です。
子孫は何と大分県知事。
いやはやすごいですね。

教養がないのでなんとも進まない。
ちと読むのに時間がかかりました。

度重なる咸宜園への郡代からの干渉、
入門した訳ありげな姉弟、
大塩平八郎の乱などなど。

まぁこれはこれで有りですかね。

いくつか良い言葉もありました。

淡窓と久兵衛が人間として素晴らしいので、
他の登場人物の身勝手さが目に付きます。

特に臼井姉弟。
佳一郎はまだ幼いやけと言えるけど、千世はひどいなぁ。
きっと男の人にはこのひどさがわからないんやろうね。

14年11月読
★☆☆☆☆

2014年11月19日水曜日

紙の月

角田光代さんの
”紙の月”。

自他ともに認める
乱読の私ですが、
どろどろとした
恋愛物は苦手。

これもそのひとつかなと思い、
話題作ではあるけど、手を
伸ばしていなかったもの。

同僚からお借りしました。
ありがとうございます。

主人公の梨花は41歳主婦。
銀行から1億円を横領。

お話は梨花と彼女を知る人の
語りで進みます。

幸せそうにみえる彼女は
なぜ横領したのか。

彼女の回想と、彼女を知る人々が語る
過去の梨花。

なぜ正義の人であった梨花が横領なんて
したのか。

多面的な見方で話が進んでいるようにみえて、
実は一方的な感じもします。

できたら梨花の周りの男性からの話も
知りたかった。
光太や旦那からの目線。

光太は梨花の事を本当はどう思っていたのか。

でも角田さんはあえて書かなかったとも思うし、
現実でも結局知れるのはごく一部の真実なんですよね。

読んでいて正直辛いです。
一個人として認められたいという梨花の思い、
やるせなさが伝わってきて。。。

あとそのお友達もですね。
お金を使うことで何を得ようとしているのか。。。

読んでいて本当にしんどくなる。
結局お金で彼女が得たものは幻のみ。

読み終えた時は本当にほっとしました。
もう梨花のお話からおさらばできると。

不正への一歩は本当に小さなもの。
でもそれをするかしないかが大きな分かれ目。

昔、銀行員って車が来ない赤信号で待てる事が
できる人って言われたことあるけど、本当にそうなんですね。

その一歩を踏み出すか踏み出さないか。

もちろん踏み出す理由もある。
でもその先の道って決して満たされるものではない。

まさにハッピーエンドで終わらないお話。

お金は使うものであって、使われるものではない
というのも改めて痛感します。

映画では宮沢りえさんが梨花を。
まさに梨花の佇まいが似合って、
はまり役やと思います。
もちろん私は観に行きませんが。

でも池松壮亮はちと観たい気も♪

14年11月読
★☆☆☆☆

2014年11月16日日曜日

さよならドビュッシー前奏曲(プレリュード) 要介護探偵の事件簿

立て続けに同僚から
借りた中山七里さんの
お話。

さよならドビュッシー
前奏曲。
シリーズ第1作目の
番外編です。

大好きなおじいちゃんと、
介護士のみち子さんが
主人公の短編集。

下半身不随の要介護の玄太郎は
筋金入りの頑固者。

おかしいものはおかしいといい、
権力には権力で応える。

その言葉は重いです。

その玄太郎が探偵役として活躍する
お話たち。

"要介護探偵の生還"が一番好きかな。

玄太郎の不屈の精神に学ぶこと多しです。

岬先生も登場するけど、やはりおじいちゃんが一番。
惚れました。

前作からの流れを評価して、
評価はひとつプラスです。

14年11月読
★★★★☆

2014年11月14日金曜日

おやすみラフマニノフ

中山七里さんの
おやすみラフマニノフ。
岬シリーズの第2弾。

同僚からお借りしました。

音大の完全密室から、
時価総額2億円のチェロ
"ストラディバリウス"が
姿を消すところから
お話は始まります。

ストラディバリウスってチェロもあるんですね。
知らなかった。

第1ヴァイオリンでコンマスの晶(男)は
学友とともに定期演奏会に向け練習を重ねる。

ストラディバリウス紛失に続いて起こる事件。
そして脅迫。

疑心暗鬼になるメンバーが奏でる不協和音。

果たして無事に晶たちは演奏会までに
心一つにした演奏ができるのか。
そして犯人は誰か。

探偵役の岬はもちろんのこと、前作の
さよならドビュッシー"と並行してのお話なので、
登場人物や出来事がリンクしており、
より楽しめます。

そしてお話の精度もよりパワーアップ。

晶の出自はある程度わかるけど、それでも面白い。

中山さんは男性目線で描いた方が無理ないのかも。

音楽の描写もよりパワーアップ。
久しぶりにヴァイオリンを弾きたくなりました。

ミステリーではあるけど、狭き門の夢を追う
晶たちの人間ドラマに酔いしれ、一気読み。

面白かったです。

解説にもあったので、中山さんってどんな人か
調べてみたら、おじさまで音楽経験無しとのこと。
それでこれだけの音楽の描写ができるって
すごいかも。

14年11月読
★★★★☆

2014年11月13日木曜日

さよならドビュッシー

中山七里さんの
さよならドビュッシー。

同僚からお借りしました。

以前に読んだ"いつまでも
ショパン"のシリーズ
第1作目です。

ビアニストを目指す少女は
従姉妹と祖父と火事にあい、
一人生き残る。

体表の34%の火傷。
のどもやられ、皮膚の移植で
つぎはぎだらけの身体、困難なリハビリ。

そして周りからは多額の遺産を相続した彼女へのやっかみ。
しかし彼女はその現状を打破すべくコンクールに参加する。

何度か命を狙われた彼女。
そして殺人まで起きる。

彼女は密に魔法使いと呼ぶ岬先生との練習に没頭。

この岬先生はシリーズでの探偵役。
その背景とかも詳しく書かれているので、
これは興味深かったです。

全体を通しては、なんとなく最初から真相がわかってしまうので、
あまりのめりこめなかったのが残念。

音楽の描写も、技巧中心。

まだ話にも全体的に粗さを感じます。
でもまぁそれなりには読めるかな。

まだ初期の作品なので仕方ないですね。
続きも借りてるので、これからどういう風に変化していくか
楽しみです。

登場人物では岬先生もですが、お爺さんのキャラも
その言葉も結構好きです。

あとこれ橋本愛で映画化されているのですね。
イメージにすごく合っていて納得!

いつまでもショパンの感想はこちら>>>

14年11月読
★★☆☆☆

2014年11月11日火曜日

鉄の骨

池井戸潤さんの
鉄の骨。

中堅ゼネコンの若手
富島平太の異動先は
"談合課"と揶揄される
大口公共事業の受注部署。

必要悪の談合。
決してやりたいわけでなくても、
自らの組織を守るため、
業界を守るためにやらざるを得ない。

道路工事への入札。
そして大規模な地下鉄工事。

受注のため必死になる平太と仲間たち。

銀行員の恋人萌ともその立場の違いから
生じるすれ違い。

業界で天皇と言われる大物フィクサー
三橋との出会い。

登場人物が魅力的やから、テーマが重くても、
すっと読めます。

先輩の西田、尾形常務、そして三橋。
みんな魅力的。

三橋の言葉が重い。

「いまが一番いい。そう思うことが大事なんだ。
過去を懐かしむのは構わない。だが過去を羨んではいけない。
決してな」

「サラリーマンである以前に人間なんだ。」
「人間であることを忘れたサラリーマンは
つまらない部品になってしまう。」

650頁近くの骨太の作品。
読み応えたっぷり。
そして世の中の仕組みとか色々と考えさせられます。

銀行員という立場なやけで、自分が偉いわけでもないのに、
つい周りを見下してしまう部分とかも、痛いくらいにわかる。

談合も必要な理屈もわかるけど、それに甘えていて
努力をしない企業の多さも。

変えないといけないとわかっていても、
そこから逃れられない人々も。

そして世の変化についていける企業・人と、
ついていけないものたちの差。

まさに池井戸潤さんならではのお話。
すっかりとのめり込みました。

おすすめです。

池井戸さんは、当初”走れ平太”という
題名を考えていたそうです。
それはそれでなんか似合っているかも。

14年11月読 BO行き
★★★★★

2014年11月9日日曜日

素行調査官

笹本稜平さんの
素行調査官。

元探偵の本郷は
同級生のコネにより
特別捜査官として
警視庁に採用される。

組織内の不祥事を
取り締まる監察係
として働く本郷。

公安刑事の中国人女性との不倫を調査していると、
その相手の妹が殺された事件が発生。

本郷とその同級生入江、そして同僚の北本3人の
チームの捜査の背後に見え隠れするのは、
蛇頭や大物警察官僚。

殺人事件で初動捜査を行ったノンキャリの小松も
事件の鍵を握ります。

それなりに面白く読める骨太な作品。

非現実的なお話です。
というか現実にこんな事あったら嫌だね。

14年11月読 BO行き
★★☆☆☆

2014年11月7日金曜日

空飛ぶ馬

北村薫さんの空飛ぶ馬。
デビュー作です。
 
大学生の私と噺家の
円紫師匠による
日常に潜む謎解きが
つまった短編集です。

主人公の女子大生は小説、
演劇、落語好き。
登場する小説はどれも
玄人好みというか渋いのが多いですね。

落語好きなので、毎回毎回お噺が
紹介されるのは嬉しいです。

梅雨の季節に円紫師匠と出会い、夏、秋、
そしてクリスマスに、私の周りのちょっとした謎が
解き明かされていきます。

殺人とかの大事件は起きないけど、
人の想いが隠された不可思議な出来事が描かれています。

円紫師匠の洞察力には驚きですね。
まさに神業。

このお話が書かれたのは1989年。
色褪せないのはすごいかな。

他のお話も機会があれば読んでみたいです。

14年11月読 BO行き
★★☆☆☆

2014年11月6日木曜日

ソロモンの偽証 第3部 下巻

宮部みゆきさんの
ソロモンの偽証。
第3部法廷篇の
下巻です。

貸してくれた同僚に
感謝感謝。

佳境に入る学校内裁判。
次々に明らかになる真実。

なんとなくもやもやっと感じていた真実が
わかってほっとした面も。

まぁ今までたくさんの伏線があったからこそ
真実はなんとなく伝わっていたけど、
やはりわかると霧が晴れたようなすっきり感。

もちろんあの場にいた人々には
そう簡単に消化できる真実ではないにしろ。

なにせ柏木君の悪は思っていた以上の面も
ありましたから。

とは言え、もう少し深読みしていたところも
あるから、そういった意味でも真実がわかって
よかったのかな。

あの夏、あの裁判を通じて少年、少女たちは
間違いなく成長した。
そして輝いていた。

そんな彼らを誇らしく、そして潔く、格好良いとも思います。
惜しみない拍手を彼らに。

そしてこの素晴らしい大作、世界観を創りあげた
宮部さんにも大きな拍手を。

間違いなくこれは宮部さんの代表作となるでしょう。

謎解きというよりも、中学生という多感な少年少女を
うまく描いていました。

ずっとこのお話にのめり込んでいたので、
読み終えたことを若干さみしくも感じます。

書き下ろしの"負の方程式"もいいですね。

あの経験があるから今の涼子があるのが
よくわかります。

涼子と神原くんが幸せでよかった。。。

14年11月読
★★★★☆

2014年11月4日火曜日

ソロモンの偽証 第3部 上巻

宮部みゆきさんの
ソロモンの偽証。
いよいよ第3部のスタートです。

同僚から借りたので、
読んでいた本をひと休み
してこちらへ。
普段は読み途中の本から
別のにってしないけど、
やはり早く結末を知りたいです。

いよいよ学校内裁判の開始。
緊張感が伝わってきます。

裁判の模様は第三者という意味合いからか、
佐々木刑事、藤野パパ、ヤマシン、
陪審員のまり子の視点で描かれています。

どんどんと暴かれていく事実。
柏木君の真の姿も少しずつ明らかに。

目撃者の樹理も登場。
最後はあっと言う終わり方。

しかし神原弁護士は策士ですね。
絶対事件の鍵を握っているのは彼なのに。

まぁそれも次で明らかに。

いよいよ最終巻。
楽しみです♪

今までの感想はこちらから>>>

14年11月読
★★★★★

2014年11月1日土曜日

Sherlock #3










待望のTVドラマ”シャーロック第3シリーズ”。

第1話を撮り損ねたので、残念ながら2話と3話のみ。

このシリーズは1シーズンが3話だけなんですよねぇ~
1回が90分あるので見応えは十分やけど。

復活したシャーロックの、はちゃめちゃ振りは相変わらず。
ジョンの結婚式でもお構いなし。

しかしジョンのお相手のメアリーも相当なもんですな。
いやはや最終話では驚きました。

お兄さんのマイクロフト役の人は、制作総指揮&脚本の
なんですね。
知らなかった。

ジョンの結婚により、シャーロックとの距離はどうなるのか。
モリアーティも復活するのか。
続きも楽しみです♪

前作の感想はこちら>>>

★★★★☆


The Hundred-Foot Journey

今日は映画の日。
なので楽しみに
していた映画を
公開初日に
観に行ってきました♪

邦題は
"マダム・マロリーと
魔法のスパイス"。

ディズニーとスピルバーグなのに
シネマ系のとこでしかやってないなよね。
不思議。

初めて角川シネマに行ってきました。
こじんまりとしていて、椅子もそんなに固くないし
快適でした。

冒頭はインドの市場からスタート。
カラフルな食材に人々のエナジーが伝わる映像。

家族で営むレストランと母を失った絶対的味覚を持つ
ハッサンとその家族はロンドン、そしてヨーロッパ大陸へ。

ボロ車が故障したのは南仏。
そこに運命的なものを感じたパパは、家族の反対を押し切り
そこでインド料理屋をやる事に。

向えにはミシュラン一つ星の名門レストラン"ル・ソール・プリョルール"。

パパとミセス・マロリーのバトルがほんまに笑えます。

しかしハッサンの才能により、その関係に変化が。

口角あがりっぱなしの展開に、ほろりとする場面が
まるでスパイスの様に効いています。

こうゆう映画好きなのよねぇ~

ハッサンいいなぁ~
前半の素朴な感じもいいし、後半どんどん格好良くなっていく感じも。
途中から山田孝之にしか見えなかったけどw

出てくるお料理は全部美味しそう!
素晴らしい俳優陣!!
景色も音楽も最高!!!

おすすめです~

映画の後はもちろんインド料理屋さんにGO♪

★★★★★

仮面山荘殺人事件

東野圭吾さんの
仮面山荘殺人事件。

結婚式前に死んだ
婚約者。

その死から数か月後、
彼女の両親から
別荘に招かれた主人公。

家族、従妹、友人達
計8人が集う山荘。

そこに侵入してきた銀行強盗犯達2人。

彼らから逃げようとしても阻まれ、
そして沸き起こる疑念。
婚約者は本当に事故死だったのか。
そんな中殺人が起きる。

さすがの東野圭吾さんのお話。
スピード感ある展開。
そして真相の驚き。

すっかりとやられました。
まさに仮面山荘が舞台。

こんな雨降る土曜に読むのに最適な一冊。
おすすめです。

14年11月読 BO行き

シャイロックの子供たち

池井戸潤さんの
シャイロックの子供たち。

シャイロックって
ライラックみたいやし
表紙のイラストも可愛いのに、
中身はちと重め。

シャイロックってシェークスピアに
登場する強欲な金貸しの名前。
つまりは銀行員を揶揄しているんです。

東急池上線沿線の東京第一銀行長原支店。

出世のため数字を追い求める行員達。

パワハラも当たり前。
顧客のためではなく自分のための営業。
去る者、病む者、そして失踪する者。

最初は長原支店を舞台にした短編で、
銀行を面白おかしくと言うか、どんやけ世間と違うかを、
それぞれの人間模様を描くきながら書いてるのかなと思っていたら、
途中から空気が変わって、最後には大きな事件に繋がっていきました。

ほほぉ。
やられましたね。

最後にも謎は残されたまま。
果たして真相はどうなのか。

みんな家族のために頑張って働いてるんやなぁ。

14年11月読 BO行き
★★☆☆☆