2013年5月3日金曜日

色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年


話題の村上春樹さんの
新作。

さすがの話の深さに
すっかりと取り込まれました。

多崎つくるは高校時代に
出会った4人の友人と
乱れなく調和する共同体を実感。

彼以外は全員名前に色を持ち、
彼は自分だけの無を感じながらも
5人は指の様にお互いが無くてはならない存在に。

しかし彼だけ進学のため上京し、
20歳の時に帰省した際にいきなり通告された決別宣言。

そこで彼は絶望と孤独感、そして死への扉を感じる。

それから16年。
表面的には癒えている傷が
実は血を流し続けていることを指摘され、
彼は皆に会うことで過去に戻っていく。

私もレベルは違うけど、ある日いきなり
原因もわからないままに関係を断ち切られたことがある。

未だにその傷は癒えていないので、すごくすごく
つくるの気持ちに共感した。

人との関係って必ずしも良好なものの上に築かれるのではなく、
お互いが血を流しあっての関係もあるのだなって思う。

つくるは色を持たないからこそ、周りの人が集まってくるのだなって感じる。

最後は読者の中で紡がれる。
そこの自由さがまたいい。

灰田青年だけが気にかかるな。

いくつか心に残ったフレーズ:
・才能というのは肉体と意識の強靭な集中に支えられて、初めて機能を発揮する
・フォースと共に歩みなさい
・すべてが時の流れに消えてしまったわけではない

13年5月読
★★★★★

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